TOEICの文法問題(Part 5)では、不定詞(to + 動詞の原形)と動名詞(動詞 + ing)の使い分けを問う問題が頻出です。不定詞と動名詞は、どちらも動詞の後に続く形として使われますが、使い方や意味が異なるため、正確に理解しておくことが重要です。以下に、不定詞と動名詞の使い分けのポイントを詳しく解説します。
1. 不定詞(to + 動詞の原形)の特徴と使い方
不定詞は、以下のような場面で使われます。
(1) 目的を表す
- 不定詞は「~するために」という目的を表す場合に使われます。
- 例文:
- She left early to catch the train.
(彼女は電車に乗るために早く出発しました。)
(2) 未来志向の動詞の後に使われる
- 「これから~する」という未来志向の意味を持つ動詞の後には、不定詞が続きます。
- 主な動詞:
- want(~したい)
- plan(~する計画を立てる)
- decide(~することを決める)
- hope(~することを望む)
- expect(~することを期待する)
- agree(~することに同意する)
- 例文:
- I want to learn more about the project.
(私はそのプロジェクトについてもっと学びたいです。) - They decided to cancel the meeting.
(彼らは会議を中止することを決めました。)
(3) 形容詞の後に使われる
- 形容詞の後に不定詞が続くことがあります。
- 主な形容詞:
- easy(簡単な)
- difficult(難しい)
- important(重要な)
- happy(嬉しい)
- ready(準備ができた)
- 例文:
- It is important to follow the instructions.
(指示に従うことが重要です。) - She is ready to start the presentation.
(彼女はプレゼンを始める準備ができています。)
(4) 疑問詞 + 不定詞
- 疑問詞(what, how, where, when)と組み合わせて使われることがあります。
- 例文:
- I don’t know what to do next.
(次に何をすればよいのかわかりません。) - He explained how to use the software.
(彼はそのソフトウェアの使い方を説明しました。)
2. 動名詞(動詞 + ing)の特徴と使い方
動名詞は、以下のような場面で使われます。
(1) 過去や現在の行動を表す
- 動名詞は「~すること」という行動そのものを指し、過去や現在の行動に焦点を当てる場合に使われます。
- 例文:
- I enjoy reading books.
(私は本を読むことを楽しみます。) - She admitted making a mistake.
(彼女はミスをしたことを認めました。)
(2) 特定の動詞の後に使われる
- 動名詞は、特定の動詞の後に続きます。これらの動詞は「行動そのもの」に焦点を当てる傾向があります。
- 主な動詞:
- enjoy(~を楽しむ)
- avoid(~を避ける)
- finish(~を終える)
- consider(~を考慮する)
- admit(~を認める)
- suggest(~を提案する)
- 例文:
- He suggested taking a break.
(彼は休憩を取ることを提案しました。) - They avoided discussing the issue.
(彼らはその問題について話し合うことを避けました。)
(3) 前置詞の後に使われる
- 前置詞の後には動名詞が続きます。
- 例文:
- She is interested in learning new skills.
(彼女は新しいスキルを学ぶことに興味があります。) - He apologized for being late.
(彼は遅刻したことを謝罪しました。)
(4) 慣用表現で使われる
- 動名詞は、特定の慣用表現で使われることがあります。
- 例文:
- It’s no use crying over spilled milk.
(こぼれたミルクを嘆いても無駄です。) - I’m looking forward to meeting you.
(お会いするのを楽しみにしています。)
3. 不定詞と動名詞の使い分けが必要な動詞
一部の動詞は、不定詞と動名詞のどちらも取ることができますが、意味が異なる場合があります。
(1) remember
- to + 動詞の原形: 「これから~することを覚えている」
- 例文: Remember to lock the door.
(ドアに鍵をかけるのを忘れないでください。) - 動名詞(~ing): 「過去に~したことを覚えている」
- 例文: I remember meeting him last year.
(昨年彼に会ったことを覚えています。)
(2) forget
- to + 動詞の原形: 「これから~することを忘れる」
- 例文: Don’t forget to call me.
(私に電話するのを忘れないでください。) - 動名詞(~ing): 「過去に~したことを忘れる」
- 例文: I’ll never forget visiting Paris.
(パリを訪れたことを決して忘れません。)
(3) stop
- to + 動詞の原形: 「~するために立ち止まる」
- 例文: He stopped to talk to his friend.
(彼は友達と話すために立ち止まりました。) - 動名詞(~ing): 「~することをやめる」
- 例文: She stopped smoking last year.
(彼女は昨年タバコをやめました。)
(4) try
- to + 動詞の原形: 「~しようと努力する」
- 例文: I tried to solve the problem.
(私はその問題を解決しようとしました。) - 動名詞(~ing): 「試しに~してみる」
- 例文: Try adding more salt to the soup.
(スープに塩をもっと加えてみてください。)
4. TOEICでの出題例
例題 1:
The manager decided _ the meeting until next week.
(A) postponing
(B) to postpone
(C) postpone
(D) postponed
正解: (B) to postpone
→ 「decide」の後には不定詞が続く。
例題 2:
He suggested _ a new strategy to improve sales.
(A) to develop
(B) developing
(C) develop
(D) developed
正解: (B) developing
→ 「suggest」の後には動名詞が続く。
例題 3:
Don’t forget _ your report before the deadline.
(A) submitting
(B) to submit
(C) submit
(D) submitted
正解: (B) to submit
→ 「forget to ~」は「これから~することを忘れる」という意味。
5. まとめ
不定詞(to + 動詞の原形)
- 未来志向の動詞の後に使われる(e.g., want, plan, decide)。
- 目的や意図を表す。
動名詞(動詞 + ing)
- 行動そのものを指す。
- 特定の動詞の後や前置詞の後に使われる(e.g., enjoy, avoid, consider)。
両方使えるが意味が異なる動詞
- remember, forget, stop, try など。
TOEICでは、動詞ごとのルールや文脈を正確に理解することが重要です。公式問題集や練習問題を通じて、これらの使い分けをしっかり練習しましょう!